映像享受の自由は、ここ1、2年のソフトの豊富化によって一層広がった。映画や音楽演奏があらかじめ録画してある、いわゆるプレパックトのビデオソフトの内容が実に多様になってきたのである。市販のソフトの種類が急に増大だしたのはビデオディスクが登場してからだ。それ以前にもカセットテープのプレパックトソフトはあったが、種類が少ない上に高価であったから、一部の特殊なマニア以外手の出せないものであった。ところが、ディスクはレコード盤と同じようにプレス加工で製作できる(電磁的な信号だから文字通りのプレスではないか、まあ似たようなものだろう)という技術上の利点によってソフトが安価につくれる。
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(ディスクとの競合よってテープソフトの価格も引き下げられたが、それでも現在2時間の映画ソフトでテープの定は約1万5000円であり、ディスクはその約半値である。)それに加えて、ディスクプレーヤーはハード(=機械そのもの)に録画機能がなく再生専用なので、多様なソフトが揃わなければハードも売れない、という宿命があるために、ソフトの品揃えが早かったし、なお毎月のように新盤が続々と出ている。こうなるとテープソフトは価格面で分が悪いことは明らかだが、そこは抜け目なく、ハードの普及率ではまだビデオレコーダーが優勢であることに目をつけて、テープのレンタルショップが発達してきて、今やわが家の周囲にも3軒も店があり、過当競争気味でレンタル料も下がってきた。かくして、ビデオレコーダーしか持っていない人にとっても、レンタルによるソフト選択の幅が大きく広がった。ビデオ時代の初期には映像のソースが放送される番組に限られていたのに、今やぼくたちは放送局にまったく頼らず自分で選んだ映像を楽しむことができる時代になったのだ。
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